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さて、月日はさかのぼり昨年の話。
ある一人の青年が当店を訪ねてきたのでありました。
あのー、静岡大学の学生なんですが、卒論で静岡の日本酒について調べておりまして、、、
静岡のお酒の歴史について、お話を聞かせてほしいとのこと。
大したお話はできませんが、約3時間に渡っていろいろなお話をざっくばらんにさせて頂きました。
月日は経ち、今年の3月になり一通の郵便が。
中にはお礼の手紙とともに完成した卒論が入っていました。

内容は静岡県内の地酒業界の歴史や背景を
掘り下げたもので、知っていることも多かったものの
中には新たに気づかされることもあり、非常にうまく
まとまっているなぁと思いました。
僕が卒論を書いたのは、約15年前。
当時、日本史学科の学生だった僕は
“日本・渤海国間交渉・交流に関する一考察”(だったと思う)と
いう、僕の実力ではかなり思い切った卒論を、
えらい苦労して書いた覚えがあります。出来上がったのは
提出期限当日の朝6時。ぶっ倒れそうになりながら書き上げ、
夜明けの“吉野家”での牛丼がやたら美味かったのを覚えています。
その頃と比べて、ずいぶん時代は変わりました。
まずは体裁。ワープロはあったものの、日本史学科の論文は
変換しても出てこない漢字だらけなので、原稿用紙に
すべて手書き。後でわかった誤字・脱字の部分は段落で
詰められる部分までぜーんぶ書きなおし。泣きそうになりました。
またパソコンもなかったので、ちょっとした調べものでも
最低図書館、込み入ると研究室に籠りっきりの毎日。
当時は、ずいぶんとしんどかったのですが、今ではいい思い出です。
状況はその頃と今ではずいぶん違いますが、たぶんこの卒論を書いた彼も、同じような気持ち、
文字を書くこと、自分の書くことに責任を持つことの重要性を感じながら書いたのではないかと思います。
そんな気持ちの伝わってくる、清々しい卒論に仕上がっていました。
その評価はわれわれがするものではないので、ここには書きませんが、僕は僕として
いろいろと考えさせられ、気持ちの洗われたこちらの卒論。
大事に読ませて頂き、保管させていただこうと思います。
素晴らしい出会いに“感謝”です!